Surrounded By Football -サッカーライターが考える-

自分は、サッカーを中心にスポーツ全般を扱う場所に軸足を置きつつ、書くこと以外にもさまざまな仕事をしています。スポーツに囲まれて毎日を送る事ができて幸せです。ここでは、サッカーのことも書きますが、それ以外の話題も。アウトプットの場として用意したものです。シェアして頂けましたら喜びますので、よろしくお願いします。

躾やマナーについて、大学はもっと力を入れるべき-成蹊大の広告や学生の生活から考えた-

 まずはこちらを。

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フラッシュの影響で少し見えづらくなっていますが、書いてあるのは

 

「成蹊は、この街に愛されているだろうか?」

 

というコピー。広告です。そしてこれは僕の大学です。

まず、これを見たときに何を思うか、ということなのですが

僕は「成蹊(の学生)は吉祥寺という街に住む人々から愛されてはいないのだな。」と思いました。

 

この"広告"なのですが、学内に貼られているだけでなく、駅の屋上に立てられている看板にも印字されています。吉祥寺を歩く全ての人々に向けて、この言葉を投げかけている。

ここでの"成蹊"ってつまり"成蹊生"だと思うんですよね。その大学のイメージ、印象というのはそこに通う学生のイメージや印象とほぼ、重なるでしょう。

 

"青学=お洒落”、"慶応=高貴”

のようなものが例として挙げられるかと。

 

成蹊は、つまり成蹊生は、街の人から思われているイメージが悪いんでしょうね。学校にも生徒の吉祥寺周辺での生活態度に対して苦情も来るそうです。そういった中、このような広告を出さざるを得ない状況まで来たということは、その苦情が積もりに積もったことが容易に想像できます。この広告はある意味、最後通達かと。でも、これを最後通達にするとはなんといやらしいことか、とも思います。

結局は、「自分の学生生活を顧みなさい?」というメッセージを間接的に送っているだけに留まっているので。

 

いい意味でも悪い意味でも、組織のイメージはそこに属する人に帰すると考えています。GREEや楽天、堀江さん時代のライブドアなどのIT企業なんか特に、そんな感じがしません?つまり組織に属する人間は、特に公共の場においては、自信が属する組織の看板を常に背負っているということを念頭に置かなければいけないと思っています。自分自身へ吹く強い風は組織にも当たると(ただ、逆も然り)。当たり前なことなんですけど、この意識が希薄な人が、自分の周りには非常に多いように思えます。というのも世代的(1989年生まれ)に自分の周りには学生が多いからでしょう。

 

"とにかく、自分達が快適であればそれでいい" というような自己中心的な考えをする学生が多い。

 

学内で定められた喫煙場所すら守れない、無茶な飲み会で店に迷惑をかける、講義中の度を越した私語など、最低限のマナーすら守れない人達を多く見てきました。

(こうは言いますが、自分も下級生のとき、特にお酒の面で多くの人に迷惑をかけたことはあると思います。今では反省しているので、その点に関しては目を瞑ってください・・・そうでもなきゃこの話題をブログに書けませんし。笑)

 

でも、そういうマナー違反に対して注意をしてくれる人ってほとんどいないですよ、大学ですし。「その辺の分別は備わっているでしょ?」という前提が、そういう空気が、大学にはある気がします社会全体にもそういう意識が少なからずあると思います。学生だけでなく、多くの人々の愚行を大学の教育システムに帰することはほとんど見受けられない。それも上述したような前提が社会に根付いているから。裏を返せば、

"大学は基本的なマナーを学ぶ所ではない"。

 

でも、実際はそうではない。はっきりと言わせてもらうと、高卒で大学に入った18歳そこらの人間なんてまだまだ子供ですよ(23になったばかりの僕が言うのも変ですけど。笑)。というのも、この夏関東大学サッカーリーグ1部に属する大学へ赴いてそれぞれの監督にお話を聞くという機会がありました。そこで何人かの監督が、大学のメリットを語る際に高卒生の未熟さについて言及していたんですよね。

 

というわけで、この19歳~22歳の間にも、様々な部分の教育や躾は必要です。そういうことを踏まえて、大学側はもっと厳しくなるべきだと思います。学内で明らかにマナーの悪い人というのはいましたが、それを注意する職員の方を、もう少し、静かにして下さい”という図書館の方を除いて、僕は学生生活で1人も見たことがありません。特に喫煙マナーに関して注意しているのを見た回数は、本当にゼロです

 

僕自身、非喫煙者でタバコの煙が大嫌いなので、喫煙マナーに関してはかなり厳しく見てます。

「じゃあお前が注意しろよ」って思う方、いると思います。ですが、仮にそのマナー違反をしている見知らぬ人に注意をしましょう。高い確率で口論になると思います。

だって、路上喫煙とかする人ってそもそも、その行為自体を迷惑ではないと考えているからそれが出来るんですもの。悪いと思っていないことに対して注意されたらイラッときますよね。誰でも。そこでいざこざが生まれたとしたら、その後の学生生活に影響出そうじゃないですか?現場は大学構内という狭いコミュニティ。敷地の面でいう物理的な距離感も、学生内という精神的な距離感も狭い。その注意、口論で生まれる互いの憤りが一回きりで終わるならまだしも、その後に顔を合わせる機会は高い確率で存在します。そう考えると気分も悪くなりますし、各々の学生生活に、特に精神面で少なからず影響を及ぼすでしょう。

 

だから、そういった行為者に対して注意できるのは職員の方なんです。職員の方の役割は学内の統治や管理、そして快適な大学生活を送るために学生をサポートすることだと思っています。足りないものはあるかもしれないですけど、間違って無いですよね?この快適な学生をサポートするという側面から見て、前述の喫煙の件のようなマナーの悪い学生を注意することは業務の1つと考えられます。なので、職員の方は、よろしくお願いします。

 

人生で大学を複数通えるということはほとんどないので、今回は自分の経験に基づいた、自分が通った成蹊大学を基準とした話になりました。つまり、これが全てではないです。もちろんそういう部分の教育、躾が行き届いている大学もあると思いますが、正直、多くはないと思います。大学生をたくさん見てきて、それは感じます。

 

「大学生にもなってそういうことを教わるなんて、恥ずかしいことだ!」と思う人もいるかもしれませんけど、それは思考停止状態です。マナーや躾に対する教育を厳しく行うことは、いち教育機関として担うべき当然のことですよね。先にも言いましたが、18歳なんてまだまだ子供。この事実をもっと、受け入れるべきなのじゃないかな、と。

 

成蹊大学は今年で創学100周年を迎えます。実は自分は、今年の2012年度の入学者向けパンフレットで作家の石田衣良さんと対談をさせて頂いたのですが、そのとき彼は「昔よりもしっかりした学生が増えた感じがする」と仰っていました。2年前のことです。

OBの方がこう言ってくれた僅か2年後、学生達に自らの振る舞いを顧みさせるような広告を、学舎を構える街に打ち出さなければならなくなったこの状況の深刻さ、多くの学生に感じてほしいものです。

 

では、今日はこんなところです。