Surrounded By Football -サッカーライターが考える-

自分は、サッカーを中心にスポーツ全般を扱う場所に軸足を置きつつ、書くこと以外にもさまざまな仕事をしています。スポーツに囲まれて毎日を送る事ができて幸せです。ここでは、サッカーのことも書きますが、それ以外の話題も。アウトプットの場として用意したものです。シェアして頂けましたら喜びますので、よろしくお願いします。

うっちー交代でスタジアムを後にしても、別にいいじゃないか。

お久しぶりです。先日、これからまたブログを更新するとtwitter上で宣言したので、実行します(何度目だか)。

色々と話題は貯めておいたし論じたいことはたくさんあるのですが、今日はコレで。まずは以下をご覧ください。

 

【うっちー】サッカー日本代表 内田篤人が交代した途端に帰るファンに批判が殺到 
http://matome.naver.jp/odai/2136991707875860001


こんなまとめが出まわっていた。

 確かに、イケメンな選手を目当てにスタジアムを運ぶライトなファンの存在は長らくサッカーを見てきて、サッカーが好きなファンにとっては憤りを覚えるものかもしれない。"サッカーをなめるな"のような発言も散見された。

ただちょっと待ってほしい。その"好きなサッカー"を日本の文化に根付かせるためには内田選手交代と同時に途中退場したライトな層である彼女たち('彼ら'もいるかもしれないが…)にもっとサッカーを好きになってもらうことが重要なのではないだろうか。その点に着眼できる人が少ないと断言するつもりはないが、 個人的な肌感覚では多くはないと感じるし、むしろサッカーファン全員がこの点に関しては寛容にならなければいけないと思っている。

こういう人たちをサッカー界に巻き込んで、文化の一つとして成熟させなければいけない。自分がサッカー畑で働いているということもあるという事実が影響していることは間違いないが、常日頃から強くそう思っている。

この"途中退場"したファンの人たちの中にも、普通に生活を送っている中でサッカーに触れるきっかけが全くない人だっていたかもしれない。そういう人たちが"うっちー見たさ"に足を運んだとすれば、その事実は日本のサッカー文化を醸成させる過程において相当大きな要素だと思う。

この要素が揃った上で、次に"こういった層の人たちをサッカー界にいかに深く引きこんで行くか"を考えることが求められている。

なんでここまで言うのか、と思われる方もいるかもしれないが、そこにはもちろん理由がある。自分の知人でFC岐阜と浦和を応援してるという、サッカーファンなら誰もが必ず‘なんでその二つ?‘と思うような2チームを応援しており、大学サッカーの現場にも足を運ぶ女性がいる(その2チームを応援する理由についてはここでは触れないが) 。

その人がサッカーファンの世界に足を踏み入れるきっかけは'2002年のワールドカップの際に中田浩二選手を見てかっこいいも思った‘ことだと言う。

つまり、そういうこと。

サポーターの質を高めることも必要だとは思うが、それよりも母数を増やすことのほうが優先度は高いのではないかと思う。質より量だ。日本がアジアサッカーの覇権を握っており、サッカーの質が高い欧州の舞台で活躍する選手達が続々出てきて、ルックスの良い選手も多い。今の時期は"サッカーファンを増やす"絶好のチャンスじゃないか?

言うなれば今回、内田選手を目当てにスタジアムに足を運んだ人たちのサッカーに対する関心は"0"だとして、それが1になった。コアサポーターはその数値が10なり50なり100なりの人材が増えることを求めているのかもしれないが、誰もが最初は0であったし、1でもあった。そのルックスで新規ファンの持つその数値を0から1にしてくれる選手に感謝し、その1を50や100に引き伸ばせるよう、コアなファン達が尽力すべきではないだろうか。

そもそも、内田選手が交代でピッチを退いたとしても、日本代表がエキサイティングな試合を展開していれば、スタジアムに試合以外で楽しめるイベントなり店舗をはじめとしたブースがあったとすれば、新規ファン達は"サッカー観戦ってこんなに楽しいのか!また来たい!"と思ったかもしれない。たらればであるし、こんなことを言い出したらきりがないのだが。でも、こういう可能性だってあったはず。

冒頭に述べたとおり、憤る気持ちもわからなくはない。でも、その人物に怒りの矛先を向ける前に、まずは環境の不備を疑うなり、その次以降に同じようなケースが起こることを防ぐないしは減らすために何が必要かを考えることのほうが、明るい未来に繋がると、僕は思う。


では、今日はこんなところです。

明日は、勝ってくれるはず。


僕は自分が見たことしか信じない

僕は自分が見たことしか信じない