Surrounded By Football -サッカーライターが考える-

自分は、サッカーを中心にスポーツ全般を扱う場所に軸足を置きつつ、書くこと以外にもさまざまな仕事をしています。スポーツに囲まれて毎日を送る事ができて幸せです。ここでは、サッカーのことも書きますが、それ以外の話題も。アウトプットの場として用意したものです。シェアして頂けましたら喜びますので、よろしくお願いします。

"風立ちぬ"の喫煙問題をちょっと考えてみた。

映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望)

 

昨日の朝、盛り上がっていた話題。
どうも映画の中でタバコを吸うシーンが多くある模様。で、その態度や状況が好ましくないということでこんな声明を日本禁煙学会という団体が出したようだ。そこでネット上では

"過敏になりすぎだ"
"なんだこの団体"
"炎上マーケティングじゃないか?"
"いや、この講義はたばこ規制条約に即しているので、何ら不自然ではない"

というような様々な声があがっている。ちなみに日本禁煙学会ってなんだ?と思ったので除いてみたら

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こんな感じのトップページが現れた。色合いやHPの組み方がクラシックすぎるというか、やや怪しさを感じたことは否定しない。

とまあ、それは置いておき。風立ちぬを見たいとは思わないし見る予定もないのだが、どうも、"不適切な"喫煙シーンが多いらしい。この"不適切"というのは、まあいうなればマナーの悪さというところ。映画自体を見てないので詳しくは言えないがこの抗議文書や上記の意見が書かれているブログから察する(というより引用か?)ところ、現実世界の同状況で同行為(喫煙)を行ったとしたらそれを目撃した10人中10人が非難の声を上げるような描写が、この作品には多いらしい。
となると、教育的側面から見れば好ましくない。なんせこれはジブリの作品。小さい子どもたちが劇場に訪れる割合も高いと思うし、上に書いたような描写を将来的に真似る可能性も0ではない。まあ、そうなるかどうかは結局は親の躾に委ねられているのだが。
とここまで書いたら、抗議する日本禁煙学会の肩を持ちたくもなってきた。なんせ自分はタバコが大嫌いなので。映画の影響で将来的に喫煙人口が増えるなんて勘弁してほしい。

でも、この映画の時代背景的にそういう喫煙行為が一般的であったかもしれないし、そこを歪曲したくはないという製作者側の思いがあったのだろう。その気持は十分にわかる。一方で思うのがその喫煙シーンは本当に必要だったのか?という点。ここがちょっと気になるところ。まあそんなこと言い出したらきりが無い。

あとは、劇中での登場人物の喫煙シーンが広告にあたるかといえば"?”なところもある。

これを非難し初めてしまったら、アニメに出てくるキャラクターが吸っていた煙草を地面に捨てて踏み潰すシーンがあったとして、それに対して"ポイ捨てを助長してる!"と言うこともできるし、今回のような非難の対象になるとも言えなくはない。そうなればやっぱり、キリがない。
ただ、「そこで煙草吸ってる描写いれる必要あるか?」って突っ込むべく場面が異常なほど多ければ広告・宣伝と捉えられても仕方ない気もする。

ではその広告・宣伝はどう定義されているのか?ここが重要なのでは。


どうも今回の件に関してみると、日本が批准している
"たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約"第13条の"たばこの広告、販売促進及び後援"に違反(?)している様子。

第13条はこんな感じでした↓

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ざっと見た感じどれに反しているのかよくわからなかったのだが、おそらく4の(a)

虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段又はたばこ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出物について誤った印象を生ずるおそれのある手段を用いることによってたばこ製品の販売を促進するあらゆる形態のたばこの広告、販売促進及び後援を禁止すること

 

 

に該当するんじゃないかと思う。が、一番重要なのはここではなかった。前文の"用語"のところに、"たばこの広告及び販売促進"の定義が書かれていたのだが・・・

 

「たばこの広告及び販売促進」とは、商業上行われるあらゆる形態による情報の伝達、奨励又は行動であって、直接又は間接に、たばこ製品の販売もしくはタバコの仕様を促進することを目的とし又はたばこ製品の販売若しくはたばこの仕様を促進する効果を有し若しくはおそれのあるものをいう

 

なんか、こう定義されてしまえば、あらゆるメディアに露出されるたばこ絡みのシーンにいちゃもんをつけることが出来る気がしてならない。そう考えると、今までは日本禁煙学会もある程度のところは目をつぶっていたのではないかな、とも思える。しかし今回の風立ちぬに関してはさすがに見過ごすことが出来なかった、というところじゃないだろうか。なので個人的には、今回の「要望」は正当なのではと思うところです。

 

個人的には煙草を吸う人口が増えようが、未成年の喫煙率が上がってしまおうが、問題ないと思っています。嗜好品の1つですし。僕は嫌煙家ですが、喫煙者の人は歩きタバコをしないだとか、道端に吸殻を捨てないだとか、喫煙ゾーンを守るとか、そういうマナーを守ってくれればそれでいいと思っています。なのでタバコが世の中からなくなれとは思っていません。
ただ、はっきりいってマナーの悪い喫煙家が世の中に多すぎる。これは絶対的な意見ではないと思うけど、嫌煙家は、喫煙家が思っている以上に喫煙者のふるまいを見ているし、少しでも不快な行動をとったらそれが記憶に強く印象付けられます。アンチタバコ層が過激になる理由もこれじゃないかと思う。構成員1人の行動がもたらす印象が、その人物が属するコミュニティの印象に変換されるという、よくあるアレです。ことタバコ関係については、このメカニズムがかなり強く反映される気がする。


まあ結局は日本禁煙学会の要望や風立ちぬの描写の件について活発な議論をしたいとは思っていなくて、喫煙者のマナー向上に繫がれば何でもいいです。僕は。

では、今日はこんなところです。