日本のメディアが国際情勢にどれだけ無関心か、世界と比較してみた
11/17にガザで空爆が起きた後、イスラエル、大使館でデモがあったようです。岩上安身さんのツイートで知りました。
まとめも存在しました。
自分もイスラエル大使館には行こうと思ったけど結局行き(け)ませんでした。行こうと思ったのには一つ理由があって。話は大学1年生の頃。2008年から2009年にかけても今回と同様に(規模は置いておき)ガザ空爆があったことを覚えていますか?その翌日にイスラエル大使館でデモはあったようではあるものの、自分の耳には入ってはこなかった。当時の動画を見つけることができたので一応貼っておきます。
Gaza protest / Tokyo / 30th Dec 2008
Protest the Gaza Bombing to Israeli Embassy in Tokyo
大学での専攻分野も考ると、こういった出来事に関してはリアルタイムで大きな関心や注意を払わなければいけなかったと思っており、当時の自分のアンテナの狭さを反省しています。ただ実際に、当時の空爆に対して日本の人々がどういうデモがどのような団体に組織されて、どこに集まり、何時に開始されるのか、という情報について知る手段もなかったことは事実です。当時は今ほど、SNSが情報入手のインフラとして確立されていなかったので。
しかし今では情報社会の発展によってデモの中継がオンラインで見れたり、それを見逃した人たち、引いてはその空爆自体に興味を持たない人にもtwitterやfacebook等のSNSを閲覧することで”デモの存在”を確認できるようになりました。情報の受発信においてSNSは看過できない存在になっていると強く言うことが出来ると思います。
時代は、変わりました。
昨今、ジャーナリズムというものが至る所で問われ、議論されている理由が、遅ればせながらこの中東情勢、2009年と2012年のガザ空爆に端を発した中東情勢で気づけた気がします。
話はちょっと変わるのですが、ふと各国の主要ニュースサイトではこの中東情勢はどれほど大きく扱われているのだろう?という疑問が浮かんだので、それぞれ閲覧してきました。サイトを選んだ基準は特にありません。ふと、思い浮かんだメディアです。そしてなんと、これを調べようと思った前後にテルアビブでバスが爆発する事件が発生。日本時間の19:30頃に起こっています。ちなみにこの調査(?)をはじめたのは21:30頃。
この事故を日本と外国のニュースサイトにおける国際情勢の扱いを比較のための一つの指標とすることができました。
①AFP(フランス)
バスの爆発についてはまだ触れていない模様でしたが、サイトを開いた瞬間、トップの画像にダヴィデの星が。イスラエルを連想させます。やはり民族や宗教が絡んだ出来事に対して人事ではないフランスがこの問題に持つ関心は、小さくないのでしょう。
②the guardian (イギリス)
トップこそ何かのデモの写真ですが、左にはテルアビブの文字とバスの写真が。ひと目で気づくことができました。
③BBC(イギリス)
Top News story の流れる画像で一番最初に出てきました。
Newsの最上部にもこの記事。開いて一気同じ画像が2つ見られたのはこれのみだった気がします。
④DIE WELT(ドイツ)
フランス、イギリスときて次はドイツ。
むむ、トップには来ないか。と思ってひとつスクロールすると・・・・
ありました。しっかりテルアビブの事件を伝えています。枠は大きいですね。
⑤CNN(アメリカ)
さて米です米。CNNは、トップの中央にはガザの情勢を、左の"Breaking News"にテルアビブの事故ですね。
⑥REUTERS(アメリカ)
ロイターもしっかり、トップのにバスの画像があります。
⑦The New York Times(アメリカ)
新聞に移りましょう。NYTのウェブ版では、写真こそないですが中央左に
Bus Bombing in Tel Aviv Wounds 11の文字が。ウェブメディアに比べると弱めですかね。
⑧The Washington Post(アメリカ)
一方、ワシントン・ポストはCNNやロイターのようにトップで画像つきで伝えていました。
⑨47ニュース(日本)
さて我らが日本です。
バスのバの字もないです。テロというワードがあったかと思えば、中東情勢とは関係無い記事。写真は果物摘んでいる男性が写っているのみで、なんと平和なことか。
遠くイスラエルの地で爆破事故があったことなど完全無視な模様。
⑩朝日新聞デジタル(日本)
リベラルで国際情勢には割と関心を払ってくれる(イメージがある)朝日新聞ということで、少しの期待を持ってデジタル版を覗いてみましたが・・・
こちらも爆破事故についての記事、ガザについての記事は一切なし。
写真は何かのカウントダウンです。
以上、各国メディアがどういう姿勢でこの問題を扱っているか、各国の国際情勢に対する報道体勢はどれほどなのか、という点を知るために10個のウェブサイトをご覧になって頂きましたが、一目瞭然ですね。
そもそも情報発信をする側がこの問題を軽視しているようじゃ、大多数の受け手も興味を持つことはないですよ。
グローバル人材が、とか、最近の若者は内向きで海外に出ない、という提言や議論を行ったりもしていますが、マスメディアがこれほど世界のことを扱わないということは、人々が興味を持つきっかけを狭めていることになります。この、マスメディアの国際情勢に対す報道の姿勢はある意味、大罪とも言えるんじゃないかと思っています。
自分はサッカーが好きで、代表戦を見ることで多くの国をしって、そこから世界の国々に興味を持って・・・と、その延長線上に"中東情勢"というものがありました。
ただ、多くの人がこういったルートを持っている訳ではないし、興味を持っていないと思います。でもこのイスラエルやパレスチナ、エジプトなどの国を含めた中東情勢はそういう人たちにも知ってもらうべき"世界の現在"の1つです。それは、ここで多くを語らずとも、先に見せた英仏独米の主要メディアの扱い方でわかると思います。
今一度、情報の受け手も出し手もこの問題について考えなおすべきではないでしょうか。
では、今日はこんなところです。